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フィレンツェっ子御用達、Gilliのエスプレッソ・マキアート。ドルチェを添えて

 

 

 

イタリア人は珈琲を飲むことが習慣であり趣味であり、一つの何気ない日常の幸せになっています。朝起きて、専用のマシーンでカフェモカを入れ、遠く望むフィレンツェの街と共に一口流し込むと、今日のエネルギーが湧き出てくる。

 

仕事場についてからも1杯、たまにお仕事中にさぼっては1杯のカフェモカを飲みに、行きつけのバーに行くものです。多い人では一日に7-8杯も飲み干すという珈琲。

 

そんな当たり前の習慣を、当たり前のように私たち日本人も経験すると、どこかイタリアが第二の祖国のように板についてくる感覚になれます。美味しいドルチェとなら何杯でもいけちゃう、そんな楽しみをどうぞご覧ください。

 

 

【地元っ子がこよなく愛する、Gilliとカフェモカ】

 

フィレンツェの空港からタクシーで数十分で市街地に到着します。歴史ある建物が連なり、風景は貫禄があります。

 

その中に堂々と佇まいを見せ、しかもフィレンツェの中心レプブリカ広場に面する、老舗『Gilli』。
フィレンツェの大富豪でルネサンスのを支えたメディチ家最期の代7トスカーナ大公が途絶える4年前の、1733創業『Gilli』。
俊逸の泡が自慢の、愛され続けてきた『Gilli』。
創業当時は菓子パンという意味の、「La Bottega Dei Pani Dolci」を掲げていた『Gilli』。
その当時から、今も変わらず、地元っ子に大人気な『Gilli』

 

 

と、Gilli推しの私ですが、本当に飲んだことのない、カフェモカが頂けたので、とてもとても感動してます。
もうフィレンツェに暮らして数十年を過ぎ、その全てを知り尽くしたお友達から真っ先に連れてきたもらったのが、このGilliでした。街の中心にあり、前にはレプブリカ広場が広がる賑わう場所。今となっては地元の人だけでなく国内外からの旅行者も、こぞって集うサロン的存在になりっていました。

 

「フィレンツェのビジネスパーソンが、仕事をこっそり抜けて1杯飲みにくるのよ」

 

どこか納得。
と言わざるを得ないこの飲みやすさ。スーッと口の中に入っては落ちてゆく、この味と感覚が、日本では味わったことのないカフェモカ。珈琲の味わいがしっかり楽しめるのに、そんなに重たくなく、ずっしりとこない。日本では通常大のカップ一杯に飲むけど、こちらはデミタスで2-3口タイプ。この量も相まって、すっきり感を出しているのかもしれない。

 

そんな会話をしながら、フィレンツェのビジネスパーソンが仕事から抜け出してきた風を装い、カウンターバーに身を寄せて飲んでいた。

 

 

【上品な甘さのドルチェに、もぅやみつきー】

 

「決まってドルチェと一緒にモカを飲むの」

 

初めてみた本場フィレンツェのドルチェは、一つ一つ愛くるしい顔。イチゴやキュウイがのった一口サイズのものから、長方形型の色とりどりのフルーツを盛り合わせたケーキ、またこだわりのチョコまでショーケースにスポットライトを当てさせています。ちなみにイタリア語のdolce(ドルチェ)は、「甘い」、「やわらかい」や「やさしい」を意味します。日本でいう甘味ですね。イタリアの甘味、ですね。

 

 

特に、私たちが気に入ったのはドルチェに使われているクリーム。

 

見た目はとてもとても甘みが強そうに見えますが、実は結構あっさりで、食べた瞬間びっくりします。一口サイズのドルチェなら、手にした瞬間、美味しすぎてもう手には残ってないでしょう。

 

それに、カフェモカとの相性が抜群すぎて、それだけでもフィレンツェに来た甲斐があったと実感できます。

 

またこの一口サイズのドルチェに、Gilliインテリアがとても映える。バーカウンター越しに、手間にドルチェ、奥にGilli。通な時間が、写真に余韻を持たせてくれます。

 

 

さて、このドルチェ。実は発祥はイタリアではなく、中近東と言われています。古代より育てた穀物をすりつぶし水を加えて生地を作り、焼き石の上で焼いて食べていました。当時はパンとドルチェの堺は明確にはなかったのだと思いますが、その後フルーツやハチミツで彩ったものに発展し、それが今のドルチェの原型だといわれています。ギリシャ沿岸では、その特産物である小麦やブドウ、オリーブなどを使っていました。喜劇作品の中でドルチェを見ることが出来ます。

 

 

それがローマ帝国を経て、イタリアにも広まりました。古代ローマ時代から広まっていたと考えられています。さらに、ルネサンス期には料理人が腕を振るいドルチェのレシピ文献が残っているともいわれています。イタリアだけでなくフランスを始めヨーロッパに広がり、各地で採れる穀物やフルーツなどを使ったオリジナルなドルチェへと進化を遂げてゆきます。日本にも、例えばティラミスやパンナコッタ、ジェラート、アイスに熱い珈琲を注ぐアフォガートなどが伝わってきていますね。夏の暑い日にはグラニータが格別です。

 

 

【入店から注文、支払い、堪能までの流れ】

 

フィレンツェに住んで長いフィレンツェっ子から教えてもらったGilli。初めて訪れて目にするドルチェや珈琲の良い香りに、吸い寄せられた。
店内はショーケースにずらりとドルチェが並ぶ。Lの字のカウンター内に、複数のバリスタやカメリエーレと呼ばれる給士さんが慌ただしく手を動かす。奥には食べ終わりの食器を洗う店員さんがまた複数名隠れて見える。

 

まずは、好きなドルチェを選ぶ。
つぎに、カウンターで頂きたいドルチェと珈琲の種類を伝えて、先にお会計。
お会計したレシートをカウンター越しのバリスタに見せると、カフェモカの準備に取り掛かってくれる。
奥の、カメリエーレに支払い済みを伝えると、ドルチェを丁寧にお皿にのせてくれる。

 

 

 

食べるのは、テラス、店内、バーカウンターの3つから自由に選べる。
テラスでは前のレプブリカ広場を見渡せ、そのフィレンツェの賑わいも一緒に味わえる。夜には前のメリーゴーランドの夜景と共に頂ける。
店内も落ち着いたシックな雰囲気の中、当時のパティシエが客人にもてなす光景が容易にイメージできる雰囲気。
ちなみにこれらテーブルに座ると、別途手数料の支払いが必要となる。

 

でもでも、やっぱりバーカウンターでさくっと飲むのが、通だと思う。
さっそうと、Gilli店内に入り、まずはドルチェを見定める。ふむふむ、、、カスタードだな、と目の前のドルチェの名前を覚えたら、真っ先にカウンターにて注文する。そこにはデミタスサイズのカフェモカも忘れずに。受け取ったレシートと引き換えにドルチェ、またカフェモカをそれぞれ別々に受取る、その前にバーカウンターを陣取る、そのやり方が、通というもの。だと勝手に、妄想しています(笑)。

 

でも、フィレンツェに数十年住む、もはや生粋のフィレンツェっ子も、そうやってました。

 

「いえいえ、私が誘ったのだから、ここは私よ」
と、気前よく1杯目のカフェモカとドルチェをご馳走になった。3つのカフェモカと3種類のドルチェが、ものの数秒で、なくなった。名残惜しい、と思うより先の充実感を、Gilliがきまってくれる。最後のカフェモカを飲み切るまで、慌ただしくオーダーに応える燕尾服を着たバリスタとカメリエーレを、じっと見ていた。

 
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