唯二の、厳選かけ流しとBBQ
~目次~
1. エメラルドグリーンの、1st湯 @奥津
2. な~んにもない夜空に、満点のBBQ @奥津
3. 2nd名湯、奥津 @奥津
4. おばあちゃんたちの、愛情を受けて @奥津
兵庫から、岡山に入り、ついには奥津まできた。
めざすは、ご実家を民宿として開放くださっている、1軒家。
すっかり夜道になった県道を、どちらかの方角に向かう。
徐々に近づいていることを、知らせてくれる。
と、突然、左にわきにそれてく道がでる。
それも、農道みたく、ほそ~い道で、勾配もある道。
スピードをゆるめることなく、左へ舵をきった。
のぼると、そこには1軒の、家が見えた。
何もない、夜空に、車を突っ込ませた。
これが、the Okayamaである。
向かいの里の、家を示す明かりが、ぽつりぽつりと目に入る。
気候が夏なら、大自然に咲く、大きな蛍のよう。
先にチェックinを済ませ、
店主のトラクターが先導し、奥津温泉に到着する。
お宿に入り、女将に一言、申してもくれた。
事前に、連絡した、お二人と。
感謝。
ぎこちなくはあるけど、すべてはその言動で感じとれた。
後世に、伝える、価値のあるコトだと思える、この温かみ。
2段構成だった。
急な階段を上る2Fには、家族風呂。
吹き出す、厳選。透き通る、厳選。
逆に、迷宮の一部の、直線的な先の地下にも、
2艘の湯舟があった。男湯と女湯。
女将は、今の時間帯は誰もいないからと、
19時をまわったばかりの、エメラルドグリーンを貸し切り、
浸かる。
下から噴き出る源泉が、やわらかく浴槽をかき混ぜている。
どこかの洞窟だろう。
かすかな、外風が、地上との連絡網になっている。
鯛が、盛られていた。
すこし薄暗い玄関が、時の流れを感じさせてくれた。
過去の繁栄、今の繁栄。時は変われど、そこにある良泉が、
今後も、さらには世界中の人々を、魅惑し続けるのだろう、と。
記念にと、旅館の今を、カメラ越しに除いた。
青く漆黒とも映る遺産と、かたい握手をした。
奥津温泉の、1軒から出た。
今度は、温泉街をのろのろと時速15kmで通り、つききった。
田んぼだろうか、開けた景色がおぼろげに見えた。
右にくねってゆくと、合流地点に出会えた。
左に曲がり、ようやく気付いた、初めに来た道に沿っていることを。
もとに位置に、車をおさめて、さぁ、BBQだ。
セットが、既に準備されていた。
炭が煌々と、燃え盛っていた。
『ジビエ料理』。
Okayama de zibie^^
初めてのフレーズに、奥津の良さを、また一つ味わった。
奥の台所から、出迎えてくれた店主。
既に、イノシシ、シカ、トリ肉を、加減の火に通してくれていた。
続けて、野菜も、仕上がりを見せつつある。
さっそくの、ご馳走に、いただきますをした。
事前に、旅行客に合わせて、ジビエを注文していてくれていた。
とてもとても、2人では食べきれない量の、おもてなし。
エビもそえた鉄板に、目がじっとみつめる。
5月の肌寒さはあまり気にならない。
BBQの前後で、一夜明けまた源泉、しかもこの街唯二の温泉にあやかれる幸せ。
次は、下る。
殿、姫ごっこが、こだまする。
綺麗に、敷き詰められた、衣装カゴに、服を託す。
戸をあけると、階段に続いて、名湯が、またこの位置に誘導されていた。
並べられた、木々が、源泉の魅力をまた語る。
外は、雨。奥津の宿に、地に沿う雨。
出ようとした足を、とめてみた。
玄関を一望できる、しっとりとした雰囲気が、中にもあった。
ぶどうジュースが、すっと染み入ってゆく。美味しい。
車窓からの、景色を眺める。
草花が、待ちわびている。
こんな雨の日は、彼らをどんなに勇気づけるだろうか。
恵が、またこの自然になり、こうやって戻ってくる。
あぁ、あめ、が生かす分子と原子。
この雨音が、リズムとなり、すべてに浸透してゆく。
近くの、道の駅に入った。
開店まで、もう少しの時間。唐辛子味噌と。
一回は見送った、バイキングを申し込んだ。
並んだ、お袋の味が、妙になじむ。
プレートいっぱいに、種類を詰めてみた。
ここのカレーも美味しいよ。寒暖差には、ビタミンもね。
おわり